1.謡本
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伝小次郎信光筆謡本 資料番号 : 研00014 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 袋綴中本。観世小次郎信光の自筆とする正徳三年(1713)の観世大夫滋章の極めがあるが信じがたい。元頼本の系統を汲む揃本の一つとして貴重。 -
堀池父子節付観世流謡本 資料番号 : 研00010 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 観世元頼系統の観世流謡本。天正四年(1576)の堀池次介忠清(宗叱)本を主体に、堀池弥次郎忠継本や観世橘右衛門本の書写本等が混在する。いずれも天正頃写。堀池は永禄天正期に栄えた素人猿楽の家で、禁中や公卿の周辺で活躍した。 -
金春喜勝筆謡本 資料番号 : 研00015 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 紙高157~166ミリの巻子本。金春大夫喜勝筆の謡本。喜勝は禅鳳の孫で、天正十一年(1583)没。〈龍田〉には細川元良軒に贈る由の喜勝の奥書がある。詳細は能楽研究所編『蔵書目録 附解題』参照。 -
桜井安成・安弘節付金春流謡本 資料番号 : 研00016 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 金春流謡本。宝永八年(1711)写。筆写不明。識語によれば、金春大夫安照(禅曲)より桜井八右衛門安澄に相伝した謡本によって、桜井法楽安成とその子桜井八右衛門安弘が節付をして献上したもの。桜井安澄は伊達家に仕えた人物で、慶長十五年(1610)から金春大夫に能を学んだ。詳細は能楽研究所編『蔵書目録 附解題』参照。「岩本秀清節附下懸り謡本」〔研17〕と一括で鉄製の箱入。 -
岩本秀清節附下懸り謡本 資料番号 : 研00017 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 慶長十・十一年(1605・1606)筆写の金剛流謡本。筆者不明。10冊に岩本雅楽助秀清が節付をして天野与三右衛門に差し上げた旨の識語がある。岩本秀清は素人役者。詳細は能楽研究所編『蔵書目録 附解題』参照。「金春流謡本」〔研16〕と一括で鉄製の箱入。 -
喜多流謡本 資料番号 : 研00018 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 喜多流謡本。六浦のみ寛永二十年(1642)の奥書があり、他も江戸中期までの書写と思われる。三人以上の筆で書かれ、様々な大きさ・装丁・表紙が入り交じっている。詞章はほぼ擬車屋本と同じ。詳細は能楽研究所編『蔵書目録 附解題』参照。 -
享保十七年伊達吉村写金春大蔵流三番綴本「角田川・鸚鵡小町・愛染川」 資料番号 : 楠・一01 所蔵 : 楠川文庫 解題 : 五代藩主・伊達吉村(1680-1751)筆の金春流謡本。享保十七年(1732)写。曲目は〈角田川・鸚鵡小町・愛染川〉。奥書によれば、大蔵大夫より借用した謡本を書写して節付したもの。詳細は「楠川文庫蔵書目録(付解題)」(『能楽研究』29号)参照。 -
伊達吉村写金春流謡本「関寺小町」 資料番号 : 研01326 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 下掛リの〈関寺小町〉謡本。大蔵大夫家本を書写したもので、辰年六月中旬の五代藩主・伊達吉村(1680-1751)筆の奥書あり。辰年は元文元年(1736)か。朱や墨筆の書き入れがあり、実際に使用されたことが伺える。同曲に関しては、吉村筆らしき仕舞付『関寺小町仕舞附』〔研1306〕も伝存する。 -
無章句謡本「高砂・田村・東北」 資料番号 : 研01327 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 無章句の謡本。〈高砂〉の包紙に田辺淳甫と進藤七三郎の名が記されている。淳甫は仙台藩の儒臣・田辺希賢(1653~1738)の字、進藤七三郎は元禄期の仙台藩シテ役者である。「御仕舞附」とあるが、型附は未記入。 -
享保十七年写金春流四番綴謡本「橘・御裳濯・富士山・澤漉」 資料番号 : 研01328 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 番外曲を集めた謡本。享保十七年(1732)十月中旬の五代藩主・伊達吉村(1680-1751)の識語あり。大蔵大夫が仙台に下向逗留した際に借りて書写したものであるという。橘・御裳濯・富士山は仕舞付も伝存する〔研1307〕。 -
下掛り謡本「道成寺」 資料番号 : 研01329 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 下掛リの〈道成寺〉謡本。江戸中期写。ほぼ全段に詞章の直しや読み仮名の朱筆書き入れあり。 -
下掛り謡本「松嶋」 資料番号 : 研01330 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 番外曲〈松島〉の下掛リ謡本。〈松島〉は他に伊達吉村手沢本(能楽研究所)・田安本(鴻山文庫)・下掛り番外謡六百四十三番本(伊達文庫)が伝存する。五代藩主・伊達吉村(1680-1751)周辺で作られた作品。 -
下掛り謡本「横山」 資料番号 : 研01332 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 仮綴じの下掛リ写本。江戸時代中期~後期写。〈横山〉は〈草刈の能〉として『申楽談儀』にも記録がある観阿弥作の能。 -
喜多流謡本「摺上」 資料番号 : 研01333 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 〈摺上〉は、伊達政宗軍が蘆名義広軍に勝利した摺上原の戦いを描いた番外曲。猪苗代を訪れた僧が老人に出会い、先祖勧進の天満宮を参詣すると、夜遊に乗じて現れた伊達成実の霊が摺上原の戦いの様を語るという内容。家臣の平賀蔵人義雅(1724~1802)の作。大蔵家本と校合した痕跡があり、朱筆の直しは伊達家の当主(吉村か)が加えたものらしい。節付は喜多流。 -
下掛り謡本「摺上」 資料番号 : 研01334 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 〈摺上〉は、伊達政宗軍が蘆名義広軍に勝利した摺上原の戦いを描いた番外曲。あらすじは喜多流謡本「摺上」〔研1333〕参照。筆跡は下掛り謡本「吉野」〔研1335〕と同様で、随所に詞章の直しがある。 -
下掛り謡本「吉野」 資料番号 : 研01335 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 〈吉野〉は吉野参詣の紀貫之と木守明神を主題とした番外曲。別名〈吉野貫之・吉野参詣・木守〉。下掛リ謡本「すりあげ」〔研1334〕と同様の筆跡。 -
謡本 草稿 資料番号 : 研01336 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 一枚物の謡本草稿五枚。〔研1333~1335〕と包紙で一括されていたもの。春日大社の社司・中臣延庸(1692~1757。享保十七年叙従三位)がワキとして登場することから、享保以後に書かれたものであろう。 -
無章句謡本「枩嶋」太鼓頭附 資料番号 : 研01337 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 〈松島〉の無章句謡本に太鼓頭附を記したもの。無章句謡本「小萩」〔研1338〕と包紙で一括。もと同封の、間狂言本「松島」〔研1349〕・間狂言本「小萩」〔研1350〕に仙台藩狂言役者・中垣七兵衛の署名があるが、当謡本も関連するか。番外曲〈松島〉については下掛り謡本「松島」〔研1330〕参照。 -
無章句謡本「小萩」 資料番号 : 研01338 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 〈小萩〉の無章句謡本。〈小萩〉は、宮城野を訪れた僧の前に桐壺更衣の霊が現れ、小萩(子・光源氏)の歌問答や昔語りをしたのちに成仏するという内容。謡本はこの他に宮城県立図書館伊達文庫と金春家に伝存。伊達家で作られた作品。 -
下掛り謡本「三山」 資料番号 : 研01339 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 〈三山〉の下掛リ謡本。朱筆の節付けの直しや読み仮名の書き入れあり。江戸後期写。〈三山〉は万葉歌の三山の説を素材とした作品。 -
下掛り謡本「望月」 資料番号 : 研01341 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 仮綴じの下掛り写本。朱筆直しあり。江戸時代中期~後期写。 -
下掛り謡本「難波」 資料番号 : 研01342 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 仮綴じの下掛り写本。節付の直しあり。江戸時代中期~後期写。 -
下掛り謡本「實検真盛」 資料番号 : 研01343 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 仮綴じの無章句写本。詞章の直しあり。江戸時代中期~後期写。 -
江戸期写金春大蔵流謡本「望月」 資料番号 : 楠・一02 所蔵 : 楠川文庫 解題 : 金春流謡本。料紙は伊達吉村筆本〔楠・一01〕と同一。詳細は「楠川文庫蔵書目録(付解題)」(『能楽研究』29号)参照。 -
下掛り謡本「飛鳥川」クセ 資料番号 : 研01331 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 江戸時代中~後期の部分謡本。〈飛鳥川〉は親子再会の物狂能で、金剛流・喜多流に伝わる。包紙に署名のある木村藤馬は、文化・文政期頃の仙台藩大番組の藩士。 -
下掛り謡本「二柱」サシクセ 資料番号 : 研01340 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 仮綴じの下掛り写本。勅撰集のことを歌ったサシとクセの部分謡本。江戸時代中期~後期写。 -
元文四年伊達吉村写「乱曲うたひ本」 資料番号 : 楠・二01 所蔵 : 楠川文庫 解題 : 金春流の乱曲謡本。元文四年(1739)に五代藩主・伊達吉村(1680-1751)が大蔵家より借用した本を書写したもの。詳細は「楠川文庫蔵書目録(付解題)」(『能楽研究』29号)参照。 -
元文五年大蔵経春写「乱曲」 資料番号 : 楠・二02 所蔵 : 楠川文庫 解題 : 元文五年(1740)に大蔵庄左衛門家十代・経春が、伊達吉村に献上した乱曲集。奥書に、祖父である八代・経通の自筆本によって節を記したとある。詳細は「楠川文庫蔵書目録(付解題)」(『能楽研究』29号)参照。