2.伝書
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習事伝授 資料番号 : 研01296 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 桜井八右衛門安澄がまとめた習事の伝書。金春安照よりの相伝とする習事が多数を占める。奥書は「寛永十五年六月十九日 桜井八右衛門安澄」。端裏書には「寛永五年六月十九日桜井八右衛門安澄/翁 道成寺」。内容は「翁まつりの事・翁四日次第之事・千歳の舞・四日鼓打出し之事・かく屋入之事・道成寺・たつはい小鼓と足拍子之事・乱拍子足数同小鼓之事・乱拍子と云事・鐘の内のかさり之事・鐘の中にておもてかけかへ候事・鐘ひかへやう之事・鐘のおろし所之事・猩々乱の事・乱のかゝり色々有・ひやうしやうかへりの事・平調返りの笛しやうが・清経の出羽・せんほう出羽の事・二段返しの事・海人かはりの舞の事・定家習之事・葵上こさぬ一聲と云事・楊貴妃・脇能の事口伝・野々宮榊すて所・松風かた見の見所・五段の物着・柏崎・三井寺・角田川・二人静・邯鄲・大返しの時・葵上大返しの時・序の足の事・大皷序の替り・くきりじうつりの事・三輪三拍子と云事・三輪神楽序・かけの能おもての能と云事有・もん有能むもんの能と云事・うたひ所望に・一てう皷大小共にうたひの事・一調太皷にて独うたひの事・祝言ノ能之事・門出のはやしの事・わき能一聲謡出し之事・ふみとめぬ一聲と云事・まくの内習之事・まくの内立所の事・まく上る時分の事・何能にてもまく出る足の事・まく上る上中下の事・いろの能はやしと云事有・とをるしやくの舞の事・三輪御幣扇のかはりの事・誓願寺出羽之事・湯屋車ノ内トしつこう習ノ事」。桜井八右衛門安澄の伝書は、宮城県図書館所蔵『秘要集』(寛永十五年奥書)と『桜井安澄芸道伝授状』(承応二年奥書)があり、若干の出入りはあるが本資料とほぼ同内容。後の『真徳鏡』へもつながる仙台藩伊達家の能楽伝書の根幹となる伝書。 -
箇條 資料番号 : 研01292 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 習事を箇条書にして集成したもの。内題「箇條」。「秘要集ニ如此有」や「秘要集有之候」などとあり、寛永十五年(1638)桜井八右衛門安澄奥書『秘要集』(宮城県図書館伊達文庫蔵)の書名が見えることから、本研究所所蔵「習事伝授」〔研1296〕とも重なる内容が多い。項目のみを列挙する部分と、内容も記す場合とがあり、項目によって精粗は一定でない。前半の項目の順序・内容は、『真徳鏡』巻一(早稲田大学演劇博物館蔵)とほぼ重なり、『真徳鏡』の記述をより簡略にまとめる傾向が強い。後半は各曲ごとの習事に関する内容で、これも『真徳鏡』所収曲と重なる。『大蔵家仕舞付』〔研1303〕と同じ表紙。 -
延宝六年大蔵庄左衛門経喜奥書『万能鏡』 資料番号 : 鴻・三七51 所蔵 : 鴻山文庫 解題 : 大蔵経喜が祖父・金春氏紀(法名・休岸)の話に基づき記した能伝書。延宝六年(1678)奥書。『六輪一露抜書』〔研1287〕と同筆であり、経喜自筆と認められる。『八帖花伝書』一巻の序の猿楽由来説と、四~十条の能組のことを冒頭に置き、その後、曲ごとの演出に関する記事を記す。一曲まるごとの型付ではないが、当代と昔の型の違いや、観世と金春の演出の違いについての言及が随所にあり、演出資料として有用。なお、帙に添付された「萬能鏡」と題して左下に「石沢市兵衛」と署名した包紙は、後に江島伊兵衛氏が添付したもの。石沢は伊達吉村の右筆。この包紙と『万能鏡』〔研1291〕の題字が同筆と認められることから、『万能鏡』〔研1291〕は石沢による本資料の写しである。旧蔵先の宝玲文庫にて、経喜自筆本に石沢書写本の包紙がかけられて、その後、鴻山文庫所蔵になったものと推察される。所収曲は、下記の通り。【上】高砂・老松・弓矢幡(弓八幡)・呉服・竹生嶋・源太夫・白楽天・佐保山・賀茂・西王母・東方朔・実盛・通盛・忠則・敦盛・清経・朝長・八嶋・兼平・生田・田村・箙・頼政・熊野・松風・野之宮・芭蕉・東北・江口・二人静・井筒・定家・楊貴妃・采女・千寿・源氏供養・誓願寺・杜若・羽衣・三輪・龍田・三井寺・柏崎・角田川・百萬。【下】白髭・葛城・桜川・浮舟・玉葛・藤永・芦苅・盛久・七騎落・安宅・錦木・春栄・六浦・小塩・西行桜・花月・女郎花・邯鄲・天皷・冨士太皷・自然居士・海人・当广・融・土車・山姥・葵上・唐船・卒都婆小町・通小町・籠太鼓・藤渡・空行八舟(善知鳥)・項羽・一角仙人・舟弁慶・国栖・鵜飼・昭君・紅葉狩・黒塚・是我意・鵺・小督。 -
延宝六年大蔵庄左衛門経喜奥書『萬能鏡』写し 資料番号 : 研01291 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 延宝六年大蔵庄左衛門経喜『万能鏡』〔鴻・三七51〕の写し。伊達吉村の右筆・石沢市兵衛による書写本で、奥書の諱を「経寿」とするのは誤写。 -
桜井八右衛門伝書 資料番号 : 研00008 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 貞享二年(1685)に桜井八右衛門安成が、大蔵庄左衛門経喜著『万能鏡』を抄写し、まとめた伝書。奥書「貞享弐年七月十日 桜井八右衛門安成(花押)」。所収曲は下記の通り。【上】高砂・老松・弓八幡・呉服・竹生嶋・源太夫・白楽天・九品のわけやうハ(佐保山)・賀茂・実盛・忠度・清経・朝長・八嶋・兼平・田村・頼政・熊野・松風・野之宮・芭蕉・東北・江口・二人静・井筒・定家・楊貴妃・采女・千手・源氏供養・誓願寺・杜若・羽衣・三輪・龍田・三井寺・柏崎・角田川・百万。【下】葛城・藤永・芦苅・盛久・七騎落・安宅・錦木・西行桜・花月・女郎花・邯鄲・天皷・冨士太鼓・自然居士・海人・当广・融・山姥・葵上・唐船・卒都婆小町・通小町・籠太鼓・藤渡・空行八舟・項羽・舟弁慶・国栖・鵜飼・照君・紅葉狩・黒塚・是我意・鵺・小塩。 -
貞享五年大蔵庄左衛門秦経喜奥書『六輪一露抜書』 資料番号 : 研01287 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 二重の包紙(外側「六輪一露抜書」と「甲田権兵衛印」、内側「六輪一露抜書/別ニ肯山公自筆封紙入/大蔵大夫自筆也」)。外題・内題なし。奥書「貞享五年九月廿八日 大蔵庄左衛門/秦経喜(花押)」。金春禅竹の六輪一露説とは全く異なる内容で、一言一足と申習・八つノ習・手ノかね・わり・三ひやうし・有ひやうし・無ひやうし・こくう等についての条がある。最終条にある「一、長短大小平等ニシテ各序破急同シ 我力心得シ諸徳ヲ我意 則是序破急可成就 もしほ草書おく玉の露を得は みかくかゝミの影もくもらし」は、『拾玉得花』第五問答の一文の変形と、世阿弥と禅竹の和歌を合せたものであり、本書が書かれたときに大蔵家に『拾玉得花』が伝わっていたことが窺い知られる。経喜は金春大蔵家七代目で、四代藩主・綱村(1659-1719)に召し抱えられる。 -
六輪一露抜書の上包み 資料番号 : 研01432 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 包紙一枚「肯山公御自筆」。封筒、表書「六輪一露抜書/九月廿九日」、裏に花押。大蔵庄左衛門経喜筆『六輪一露抜書』〔研1287〕の包紙。肯山公とは、四代藩主・伊達綱村(1659~1719)。 -
貞享十一年伊達吉村奥書『六輪一露抜并ニ今春習事』 資料番号 : 研01288 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 五代藩主・伊達吉村の筆になる金春系の能伝書。貞享五年(1688)奥書の大蔵庄左衛門経喜『六輪一露之抜書』を吉村が享保十一年(1726)に書写し、その後に、各曲の習事・今春大蔵家の能名寄・能道具の覚え等をまとめ一書としたもの。吉村は父・綱村の命で幼い頃から金春流の桜井八右衛門安成に師事して能の稽古に努めた人物。本書をはじめ、数多くの型付や伝書を書き残している。奥書「右六輪一露之抜書者大蔵大夫庄左衛門/経喜(小字:常休入道)以自筆書之父綱村朝臣/蜜ニ奉授之所之秘傳之書也(小字:予)今度/書寫之畢/享保十一年/林鐘季六 左中将吉(花押)」。 -
真徳鏡 資料番号 : 鴻・三七68 所蔵 : 鴻山文庫 解題 : 仙台藩の能界で編纂された故実や習事を中心とする伝書。右筆書きの美麗な筆致。舞の行道図・乱拍子や乱の詳細な足取り図・粒付も見られる。全二冊本(宮城県図書館伊達文庫蔵。無題)・全三冊本(伊達市開拓記念館蔵『真徳鏡』)・全六冊本(鴻山文庫本・早稲田大学本)があり、改訂・増補の過程が窺われる。元禄頃から享保末年頃(伊達綱村・吉村の代)にかけて編まれたと推測されている。 詳細は『鴻山文庫蔵能楽資料解題(中)』(能楽研究所、1998)参照。 -
今春大蔵両家習秘傳之條々 資料番号 : 研01356 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 五代藩主・伊達吉村が書写した能伝書。奥書「右一冊大蔵庄左衛門経喜入道(小字:常休)/書調之実子庄八郎(小字:後号求馬)傳之/所之習ひ目録也(小字:予)先年傳受之/後家宅及火災焼失畢仍而/此度加清書為後證残之/者歟/享保十一年/六月二日 左中将吉(花押)」。享保三年(1718)に大蔵庄左衛門家九代経業が、翌四年に八代経通が没したため、奥書にある「予先年伝受之」とは、吉村から十代経春への伝受と考えられる。その後、享保九年(1724)一月晦日に江戸上屋敷(芝口三丁目)および木挽丁屋敷の火災で焼失したため、再度経春より借り受け清書したものか。 -
道成寺習之口傳書 資料番号 : 研01300 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 型付・装束付・鐘の作リ物付・習事を網羅する〈道成寺〉の詳細な伝書。伊達吉村写。外題には「大蔵流家本之寫」、内題にも「大蔵家本ニ而寫之」と小字で書き添える。奥書「右一冊之抜書者大蔵家之以本/書寫之畢全他見努々不可/有之物也/戌ノ卯月上旬 羽林吉(花押)」。 -
関寺小町極秘習之傳 資料番号 : 研01302 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 〈関寺小町〉の習事に関する伝書。型付というよりは、心持ちに重きが置かれる内容。奥書なし。包紙に「関寺小町秘蜜傳受事/享保十八年九月四日於武州麻布亭/大蔵庄左衛門へ傳受之節彼家へ可傳と尋/に調元文五年四月下向之砌相渡候扣也」とあることから伊達吉村筆と知られる。『関寺小町仕舞附』〔研1306〕と関連。 -
今春流相傳聞書 資料番号 : 研01289 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 五代藩主・伊達吉村がまとめた習事に関する伝書。奥書はないが、手跡から推定しうる。上巻には、朱筆の角書きで「蜜傳去人」「今春八郎傳」「大蔵大夫傳」等と相伝者を示す項目もある。内容は下記の通り、細目に分かれる項目は[ ]で括り、その冒頭書き出しを列記する。【上】めはかせ男はかせの事[たとへハ鼓にていへハ・高砂弓八幡等別而祝義之能なり・足之ふミ様も右同断・脇も此心をよく心得たるものハ・舟に乗様]、定家能習ひ之事、乱の扇不開事、源大夫・淡路・放生川・女郎花・一角仙人・香椎・土車・悪源太・歌占等鼓習之間之事、大かへし、烏頭習之事、楊貴妃之事、高砂之能之事、うたひの謡様ニ第一心をつくる事、能之心持之事、文字之事、幕前惣而極秘伝之習ひあり、遊屋ニ天地陰陽之見様出羽ニあり、太鼓事留りに大鼓へ拍子合する事、車に乗様之事、邯鄲之習ひの事、くわらとる事、二段返し并ニ上ケ巻之事[大鼓打様大概・様々打様・如此事ハ大形大夫江断ル作法なれとも・しらせ頭打所]、上ケ巻習ひの事、清経[出羽笛大概・大夫仕方之事]、平調返し[大夫仕方・平調かへり有能之事・本の序とも云也]、真之序之事[今春ニ真序有能三番ニ限ル・笛大概・真序大夫仕方]、笛のくあいにて踏拍子、老松切に天女出る時之事、白拍子之序[此序をふむ能・白拍子の序と云名秘事也・世上に三足半のおろしといひ・此白拍子予当大蔵大夫方法楽傳受にハ(貼紙)・序ふみ様之事]、熊野舞三段半之事、黒かしらの舞の事、高砂神舞之事、袖ずりの事、舞の内名残といふ事、江口・野宮一番の中入の入はと云事、なかし八頭之事[ながし打様・小皷あいしらいハ・八かしらうてハ]、遊屋、海人、楊貴妃、定家杖つく事、源氏供養之事、是界かきり、面のかけ様・まく上て正面うけ足ふみいたすにも・松風一聲謡出しハ。【下】面打大図之覚、相傳之事、融習ひのふし、小塩、面受之事、面のつかひやう、てうれいのおもて、般若の面、誓願寺、海人之事[半送り・切出羽・舞之内名残の事・中入に扇すつる事]、柏崎、車僧、江口、朝長懺法之事、定家の習之事、葵上之事、関寺小町、雨月之事、常之真之序の替り目の事、檜垣和哥之謡様之事、同乱拍子有時之謡出様事、一調一管之事[江口・班女]、一聲一調之事[浮舟・玉葛]、今春春藤家乱曲之事、惣而謡のうたひ様之事、三輪、松風三つ拍子、八嶋しらかけり、紅葉狩脇のならひ、真序之事、七段の真の序、平調かへり、かんのかゝりの事。 -
風姿華伝抄 資料番号 : 研01290 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 『風姿花伝』「序」と「第一年来稽古条々」の後に、〈誓願寺〉来迎拍子・音楽ノ拍子、〈二人静〉くせまひの内ぐあひ拍子、の粒付を記す。 -
習之事 資料番号 : 研01293 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 習事を集めた伝書。禅竹・禅鳳・岌蓮などの説を引く。奥書なし。内容は「今春之真之脇能ト云ハ・脇能之楽・脇能の楽の名・修羅の根本の事・走りはや笛にて出る舞之根本・神楽真草の事・皆神楽・大小太皷流しと云事・天狗能之事・一、藝ハ老若にて・一、藝ハ唯うつり・別れをしとふ物狂・我とくるふ物狂・物の気の物狂・執心の物狂・すかた斗にてはかり事にくるふ物狂・藝に當座の花終の花習之事」。 -
當座之花終之花事、物狂之事、脇能楽早笛修羅之根本 資料番号 : 研01294 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 「習之事」〔研1293〕と重なる内容。順序を入れ替え、抜書したものか。奥書なし。内容は「藝に當座の花終の花習之事・別れをしとふ物狂・我とくるふ物狂・物の氣の物狂・執心の物狂・すかた斗にてはかり事にくるふ物狂・脇能楽の名・走りはや笛にて出る舞之根本・修羅の根本」。 -
猩々習之事 資料番号 : 研01299 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 『真徳鏡』〔鴻・三七68〕の(五)〈猩々乱〉、(四)〈山姥〉とほぼ同内容。〈道成寺〉は内題のみで本文なし。 -
習事控 高砂之事外 資料番号 : 研01312 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 習事に関する書付。内容は「高砂・清経・乱・西行桜・二段返しの幕上ル所・白楽天の流し八つ頭の事」。囃子に関することが中心。「習事控 道成寺聞書外」〔研1313〕と同筆。 -
習事控 道成寺聞書外 資料番号 : 研01313 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 習事に関する書付。内容は「道成寺聞書・三輪三ひやうし・乱之事・せんほう・乱之事・二段返しの事・望月・石橋」。挟み込み紙「乱之出羽・神舞之事」あり。「習事控 高砂之事外」〔研1312〕と同筆。 -
習事控 熊谷松風 資料番号 : 研01316 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 〈熊野・松風〉の習事についての書付。拍子の心持・置鼓・曲舞・舞については、両曲を対比させて記述する。観世・金春の相違についても記す。 -
習事控 杖の突様外 資料番号 : 研01317 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 習事についての書付。内容は「杖之つき様・頼政扇之事・千寿曲舞之事・忠度半とめ之事・善知とり(後の出羽)・藤戸(ツレの出)・野宮車之事・三輪(作リ物から出るタイミング)・八嶋白はたらき・百萬(舞事)・七騎落舞の事」。 -
申楽濫觴記 資料番号 : 研01424 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 申楽の起源を説いた一文。江戸時代写。桃華老人は一条兼良の隠居号で、金春禅竹と交渉があり、申楽の由来を述べた『申楽後証記』の作者として知られる。 -
申楽四座由来 資料番号 : 研01425 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 申楽の起源と四座の由来を述べた書。漢文体だが、内容は『風姿花伝第四神儀』の要約。恐らく同書を参照して近世に作文されたものであろう。 -
高砂うたひ 資料番号 : 研01314 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 〈高砂〉の謡い方指南書。金春流。詞章数句とその謡い方の注意点を交互に記したもの。 -
芭蕉につき書付 資料番号 : 研01315 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 〈芭蕉〉の謡い方指南書。金春流。詞章数句とその謡い方の注意点を交互に記したもの。 -
〈景清〉謡文句 資料番号 : 研01380 所蔵 : 能楽研究所 解題 : シテ方金春流大蔵庄左衛門の手による〈景清〉の詞章の書付。冒頭の[(サシ)](源氏に憎まれ・・・)から[下ゲ歌]に入るまでの詞章を記す。二枚目も同様。 -
法皇御製謡 山家の秋・八月十五夜・九月十三夜 資料番号 : 研01388 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 〈山家の秋・八月十五夜・九月十三夜〉と題する謡の詞章を記したもの。一部節付あり。 -
空行八舟につき書付 資料番号 : 研01389 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 空行八舟を「ウトウ」と訓ずる説の注釈。「クウカウハツシウ」を五十音に分解すると「ウトウ」と読めるという。「空行八舟につき書付」〔研1421〕と同内容。 -
望月の「鴟」の解 資料番号 : 研01390 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 〈望月〉にみえる鳥の「鴟(シ)」はミミズクであると説いた注釈。 -
だんふう之本字 資料番号 : 研01392 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 「だんふう之本字」として〈檀風〉の異体字と「ダンフウ」「ホシイマヽ カゼ」の読みを記す。大蔵庄左衛門が差し上げたもの。 -
シフカウ・ハンラフの解 資料番号 : 研01393 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 「シフカウカ手ヲ出シ ハンロフカ涙」の注釈。黄氏日抄の追補巻之十一に見える故事で、夫を留めようとする様を譬えた表現だという。 -
〈雨月〉七段之悦謡やうの事 資料番号 : 研01400 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 〈雨月〉の謡い方を説いたもの。[ノット]の「そもそも」から「風霜を送る」までを七段に分けて陰陽を示し、「風霜を送る。ここに和歌の人稀なる所」を舞う際の姿勢と声の上げ下げを記す。 -
〈芭蕉〉書付 資料番号 : 研01405 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 〈芭蕉〉クリ・サシ・ワカの注釈。八月十二日付。包紙一枚、上書「乍憚奉窺 岩井理助」。なお、岩井理助関係の書上を一括にする封筒あり、上書「岩井理助書上物/拾四通」。岩井理助は、御乱舞方御用を勤める人物(「司属部分録」、三原良吉『仙台藩能楽史』)で、元禄十四年十月十二日条に「乱舞ノ者岩井理兵衛養子ニ市人山内屋市右衛門子理助」(肯山公治家記録後編巻之百四)と見える。主に五代藩主・伊達吉村(1680-1751)の代に活躍したと思われる。 -
〈定家〉謡出し書付 資料番号 : 研01416 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 〈定家〉の謡い方を指南した書付。包紙に岩井理助の名あり。岩井が伊達藩主に指南した際の記録か。 -
空行八舟につき書付 資料番号 : 研01421 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 空行八舟を「ウトウ」と訓ずる説の注釈。「クウカウハツシウ」を五十音に分解すると「ウトウ」と読めるとする。「空行八舟につき書付」〔研1389〕と同内容。 -
羽衣文句抜書 資料番号 : 研01429 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 〈羽衣〉の詞章抜き書き。第三段の[問答]「今はさながら天人も」から「せんかたも」まで。熊野の車返し〔研1430〕・間拍子書付〔研1431〕と一括。 -
三翁之真傳 資料番号 : 研01369 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 翁の文句に漢字を宛て、「トウトウタラリラ…ララリドウ」と東天日霛神、「チリヤタラリ…ララリドウ」は中天日霊神、「チハヤフル…イハヒソメテキ」は西天日霛神とする。さらに読み下し文を付ける。包紙上書「巻物之寫二巻」。『三番申樂神秘伝』〔研1370〕と一括。 -
三番申樂神秘傳 資料番号 : 研01370 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 序文(凡神樂之濫觴…)・三番猿樂神・咲顔官者・父尉之事・老翁之事・黒面之事・三面之事・催馬樂総角事。奥書なし。端裏に「三番猿楽神秘傳」。 -
猿樂傳神秘口决弁書 資料番号 : 研01371 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 奥書なし。包紙(四重)、①外側の包紙に「金春家翁相傳之之秘書一子之/外雖次男不免之口决之書之寫/也假雖傳受相済此書無神事/必々不可為拝見一子相傳之内之/秘密之口决也」「于時享保十四年九月/大蔵庄左衛門ニ傳通之後/改メ而封置之也」と識語がある。②③「一子相傳之秘書」④「神秘口傳之書寫」とそれぞれ包紙上書。複数の花押と陽刻丸印「矩」で封をする。外題「猿樂傳神秘口决弁書」。内容は、「猿樂傳口决之弁書」と「天御柱國御柱口决之弁書」の二項目に分かれる。包紙識語にある大蔵庄左衛門とは、庄左衛門家十代の経春で、享保十四年(1729)は十六歳。享保三年(1718)に九代経業が、翌四年に八代経通が没したため、年若い経春を五代藩主・吉村が後見していたらしい。四代藩主・綱村が七代大蔵庄左衛門経喜より伝授された『今春大蔵両家秘伝之條々』〔研1356〕や『六輪一露抜書并ニ今春習事』〔研1288〕、また重要な習事である『関寺小町極秘習之伝』〔研1302〕などを、享保十年代に吉村が書写し、経春へ相伝していることから推察される。 -
翁之事 資料番号 : 研01297 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 奥書なし。「翁祭礼之事・翁装束之事・翁四日次第之事・翁仕舞之事(詳細)の四項目について記す。内容や順序に若干の異同があるが『真徳鏡 一』〔鴻・三七68〕の翁と重なる。 -
延命冠者父尉習事 資料番号 : 研01346 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 奥書なし。翁の習事に関する書付。四宮神・父ノ尉・せいのふ・十二月往来之事などについて記す。 -
天文四年奥書「加納入道太鼓伝書」 資料番号 : 鴻・三八61 所蔵 : 鴻山文庫 解題 : 天文四年(1535)に加納与井知入道が与五郎に相伝した太鼓伝書。現存する太鼓伝書の中では最も古い年記を持つ。技法に関する記事のみならず、能の故実や心構えなど多彩な内容を含む。各条の上部に、誰からの相伝であるか注記する。相伝者として今春八郎・今春七郎・善珍弥二郎・宮増弥左衛門・菅将監らの名が見えるが、過半の条は次郎大夫からの相伝であり、著者は観世座太鼓方の観世次郎大夫国忠の門弟らしい。 -
天和二年金春惣右衛門国重奥書『実鏡書』 資料番号 : 鴻・三八66 所蔵 : 鴻山文庫 解題 : 心得的な内容を主とする太鼓伝書。『要用集』〔鴻・三八67〕、『金春太鼓頭附』〔鴻・四六1〕と同じ日付の奥書を持ち、天和二年(1682)に金春国重が編んだ一群の伝書を仙台藩が借覧し、編んだ右筆書きの伝書で、伊達吉村の代のことと推定されている。万治元年(1658)喜多十大夫勧進能の評判記である秋扇翁著『舞正語磨』の影響を受けていることが顕著。詳細は『鴻山文庫蔵能楽資料解題(中)』(能楽研究所、1998)参照。 -
天和二年金春惣右衛門国重奥書『要用集』 資料番号 : 鴻・三八67 所蔵 : 鴻山文庫 解題 : 『実鏡書』〔鴻・三八66〕、『金春太鼓頭附』〔鴻・四六1〕と年月日を同じくする奥書を持つ金春国重伝書のうちの一つ。故実の後に具体的な打ち方を記す形で、43曲についての記事を収める。また、下冊には出様や舞の行き道図を示す舞台図や粒付がある。『実鏡書』に同じく種々の故実には『舞正語磨』の影響が顕著。詳細は『鴻山文庫蔵能楽資料解題(中)』(能楽研究所、1998)参照。 -
天和二年金春惣右衛門国重奥書『金春太皷頭附』 資料番号 : 鴻・四六01 所蔵 : 鴻山文庫 解題 : 『実鏡書』〔鴻・三八66〕、『要用集』〔鴻・三八67〕と年月日を同じくする奥書を持つ金春惣右衛門国重伝書のうちの一つ。前掲二冊が故実や習事を中心とするのに対し、本書は122曲の頭付を収める。詳細は『鴻山文庫蔵能楽資料解題(下)』(能楽研究所、2014)参照。 -
懺法につき書付 資料番号 : 研01367 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 厚様紙。天和二年(1682)金春惣右衛門奥書『要用集 下』〔鴻・三八67〕の「懺法」と同様の項目(懺法の由来・太鼓が頭取であること・大夫の足踏出し様のこと・脇の「感涙も」の謡・大小の床机の向き・「声みつや法の山風月受けて…」の謡)を記すが、内容は小異あり。さらに『要用集 下』には記載のない、三毒・三途・三法などを配当した「応衆之段」、六通・六識・六塵を配当した「六根段」の粒付がある。また、「応衆之段」「六根段」は『真徳鏡』にも見えるが粒付の表記が異なる。 -
懺法につき書付 資料番号 : 研01368 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 薄様紙。『懺法につき書付』〔研1367〕と同内容。加えて「宮・商・角・微・羽」の図と、金春氏信相伝として「見聞持・心體眼」、女ハカセ・男ハカセに四季を配当する説を記す。 -
大小三道根元 資料番号 : 研01366 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 囃子の伝書。大小皷と天地人等との関係を図とともに説明したもの。 -
石橋故実 資料番号 : 研01298 所蔵 : 能楽研究所 解題 : 天和二年(1682)金春惣右衛門奥書『要用集 下』〔鴻・三八67〕の〈石橋〉と同内容。