七月十三日付、観世小次郎あて木下藤吉郎秀吉書状  能楽研究所観世新九郎家文庫蔵 三一〇



御床敷折節御状
本望候 如仰今度者御
下殊永々御逗留候つるニ
何事之遊山も御入候ハす候
然共上候ての御仕合共
能候て於我等満足候御
帰路ニハ何と哉らん
あやまちさせられ候よし
申候 無御心元候処 くるし
からす御渡候由 これ又尤候
就中勧修寺郷両人
事承候 神藤右衛門折
紙うつし給令披見候
無是非儀候 爰本ニて
一円無其沙汰候つる 様
体あひきわめ追而可申候
次すき袋如書状送給
祝着申候 猶期来信之時候
恐々謹言
 七月十三日   秀吉(花押)
(追書)猶以彼両人事一円
    不存候つる 頼候旨意得
    申候 何篇追而可申入候
    又相紛之事候て使者御帰候
    無御心元候
(端裏)   〆 木藤 秀吉
  観小次さま御返報


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